本エピソードの内容
下記の2つの問題の原因と対策を紹介します。
・仕事が期限通りに終わらない
・依頼した仕事の進捗が不明
文字起こし
こんにちは、サラリーマンポッドキャスターのまことです。
この番組では、読書好きな私が、日々の読書で学んだことを紹介していきます。
今回のエピソードでは沢渡あまねさんの「仕事の問題地図」という本の要約を紹介します。
本書の概要
仕事においては、何かしらの問題を抱えている方がほとんどだと思います。
例えば、仕事がなかなか期限通りに終わらない、部下の仕事や依頼した仕事の進捗がわからない、職場の問題を解決しようと思い、いろいろ策を講じるが抵抗勢力に阻まれ、物事が全然進まないなどです。
本書はそのような仕事における問題の解決を目指すものです。
とはいえ、みなさんの中には「その手の本は巷に溢れてるじゃないか」と思われる方もいるかもしれません。
しかし、本書はそれらとは少し違ったアプローチを取ります。
その方法は言うなれば、人間味のあるアプローチです。
論理的に正しい解決策を示されたからといって問題が全て解決する事は無いですよね?
例えば、仕事の進捗が共有できていないのは良くないから、報連相をしっかりしましょう、と言われたからといって進捗不明な状況が全て解決するわけでは無いですよね?
いくら報連相が大事と思っていても、上司が忙しそうにしていると声をかけづらかったりするものです。
そんな人間的な側面も加味した解決策を提示してくれるのが本書の特徴です。
エピソードを聞くメリット
今回のエピソードを皆さんが聞くメリットは仕事のストレスを減らせることだと思っています。
みなさんの中にも仕事がうまく進められず、業務中に上司や同僚に注意されたり、怒られたりすることがあると思います。
自分が悪いのはわかっていても注意されたり怒られたりするのはストレスですよね。
できれば注意されず、怒られずに仕事したいですよね。
そもそも、多くの人は怒られようなんて思っていないし、むしろ、上司に認められたい、チームに貢献したいと思って頑張っています。
だけれども 思ったようにうまくいかなくて、怒られてしまう、こんな感じだと思います。
最初からうまくいくなんて事はなかなかありません。
うまくいかなくて悩む、それが普通です。
大切なのはうまくいかない時に、どうやってそれを乗り越え、改善していくのかです。
今回のエピソードが皆さんの悩みを乗り越える助けとなれば幸いです。
今回のエピソードの構成
本書ではありがちな仕事の問題を大きく10個に分類し、それらの原因と対策を教えてくれています。
この10個の中には、現場の担当者レベルの人が抱える問題から組織のマネージメントをする比較的上位の人が抱えるような問題まで取り上げられています。
今回のエピソードでは”仕事が期限通りに終わらない”という現場の担当者レベルの問題と”仕事の進捗が不明”という上位の人が抱えるレベルの問題の2つについて紹介します。
進捗が不明に関して上位の人が抱える問題と言いましたが、進捗が共有できれば、上司や周りの人の助けを借りることもできるので、現場の担当者レベルの方も自分には関係ないとは考えず、ぜひ聞いていっていただければと思います。
では早速紹介していきます。
仕事が期限通りに終わらない
まず「仕事が期限通りに終わらない」という問題について。
期限は守らないといけないものとはわかっていても、なかなか難しかったりもしますよね。
なぜ期限までに終えることができないのでしょうか?
本書で紹介されていたのは、次の4つの原因です。
・計画に柔軟性がない
・計画・管理が甘い
・知識・スキルがない
・過度な自責意識
です。
これだけではイメージつかないものもあると思いますので、それぞれ説明していきます。
まず「計画に柔軟性がない」について。
計画が途中で変わったり、横槍が入ってきて想定外の仕事が増える、そしてそれに対応できないみたいなことですね。
もしかしたら「計画を立ててたのに、邪魔だてのせいで期限に終わらなかったんだ」と言いたくなる気持ちあるかもしれませんが、計画は生き物です。
全てが当初の計画通りにうまくいくことの方が少ないので、そういった気持ちを抑えて対策に取り組みましょう。対策はまた後ほど紹介します。
次、2つ目の「計画・管理があまい」について。
これはそもそもの計画が甘いとかですね。
変更や横槍が一切入らない前提で、何のリスクも想定していない。
そんな楽観的すぎる計画は計画とは呼べません。
そんな計画とは呼べない計画を立てていては、期限通りに仕事は終わらないですよね
3つ目の「知識・スキルがない」について。
これは、仕事を進めるためのスキルがない、または、効率的な仕事の進め方を知らないなどのことです。
効率的な仕事の進め方はビジネス書や私のPodcastから学べるような一般的なものから、会社の上司・先輩からしか学べないようなその会社特有のものもあります。
最後、4つ目の「過度な自責意識」について。
これは「自分の仕事だから自分だけでやらなければ」など考えてしまうことなどです。
会社では人の力を借りてでもやり遂げるべきですが、学校教育の名残が残っているのか、自分でやらなければと、人の力をなかなか借りれない人もいます。
または、ヘルプを頼むと仕事ができない奴と思われてしまうんじゃないかと考えるというのもあるかもしれません。
以上が期限通りに仕事が終わらない4つの原因の紹介でした。
次は、これらの原因を受けてどんな対策を打ったら良いのかについて紹介していきます。
今回紹介する対策は4つです。
順番に紹介していきます。
1つ目は「バッファを設けて計画を作る」です。
バッファーとは余裕時間のことです。
あらかじめ不測の事態に備え、余裕を持って計画を立てましょうということです。
とはいえ、むやみに期限を引き伸ばせば良いと言うことではありません。
1週間で終わる仕事を1ヶ月あればできます、なんて言えないですよね。
一般的に、バッファーは予定所要時間の1~2割が妥当と言われています。
例えば5日で終わりそうな仕事であれば、半日~1日のバッファを設けて、期限を設定するみたいなことですね。
対策の2つ目は「メンバー同士コミニケーションを取る」ということです。
これには複数のメリットがあります。
1つは計画を立てる上で、周りの知識・知恵を借りられるということです。
例えば、あなたが新人で、はじめての仕事を依頼された時に、自分ではこの仕事を完了させるにはこれとこれをやればいいから、5日あればできるなと判断したとします。
さらに、慎重なあなたは、念のために、1日のバッファを設けて、6日後に期限を設定したとします。
でも、それが実は、その仕事を完了させるには、もっと多くの工程が必要で、とても5日で終わるものではなかったなんてことも経験が不足しているとあり得ますよね。
コミニケーションを取り、周りの知識・知恵を借りることによって、このような事態も防げたりもします。
コミニケーションを取るメリット2つ目としては、メンバー同士がお互いに何に困っているかを知ることで、フォローし合うことができることです。
みなさんも同僚や部下の話を聞いて、それなら言ってくれれば助けられたのに、、、みたいな経験あったりしませんか?
コミュニケーションを取ることで、これも防ぐことができます。
次、3つ目の対策としては「計画変更をコントロールする」です。
いくら計画に変更はつきものといっても、やたらめったら変更されていたら期限通りに終わる事は難しいです。
IT業界には変更管理という考え方があるそうです。
担当者個人の判断で変更を繰り返していたらめちゃくちゃになってしまいます。
なので、変更は何でも受け入れるのではなく、きちんとしたプロセスに従い、必要な変更かそうでないのかを見極め、変更を管理するというものです。
また、変更の程度によっては、期限の変更も有効な手段です。
もちろん、これは一方的に、「変更されたんだから、1週間位期限を先延ばししてもいいでしょう」と勝手に判断するのではなく、合意のもとに期限の延期をしましょう。
最後4つ目は「横槍をコントロールする」です。
3つ目の「計画変更をコントロールする」と似ていますが、少し違います。
ここで言う横槍とはメインの仕事とは異なるちょっとした依頼などです。
「〇〇君ちょっとお願いしたいんだけど」みたいなやつです。
1つの横槍はあまり大きな問題ではありませんが、積み重なると大きくなってきます。
また、人はスイッチのように、一瞬で作業内容を切り替える事はできません。
横槍の依頼を終えた後、メインの仕事に戻る際に、すぐ中断する前の仕事を始められる事はなく、「どこまでやったっけ?」「どう進めようとしてたんだっけ?」と横槍で中断させられなければ発生しなかった確認作業が発生してしまいます。
なので、そういったメインの作業を邪魔されてしまう横槍をコントロールしましょうというのが4つ目の対策です。
これは本書にあった内容ではなく、私が私の職場の上司から学んだものです。
そのコントロールの仕方とは社内に公開している個人のスケジュールに"集中する時間"として予定を入れてしまうという方法です。
そうすることで、この時間には横槍を防ぐことができます。
また、これを徹底することで、逆に、これらの時間以外は、声かけしても良いという意思表示にもなり、先ほど紹介したメンバー同士のコミュニケーションも円滑にすることができます。
ここまでで仕事が期限通りに終わらないという問題についての原因と対策を紹介してきました。
ここからは「仕事の進捗が不明」という問題について原因と対策を紹介していきます。
本書では、仕事の進捗が不明になる原因としては、次の2つが挙げられていました。
それは
・報連相がない
・誰も進捗フォローをしない
です。
少し説明します。
報連相は職場でのコミュニケーションの基本なので、これがしっかりできていれば進捗不明にはならないはずです。
また、報連相がうまく行われていなくても、誰かが進捗共有のフォローをすれば、進捗不明は避けられます。
つまり、両方が欠けていると進捗不明が発生するのです。
進捗が不明と言うと、部下が報連相をしないのがダメなんだと言われがちですが、実は双方の問題という捉え方もできます。
そして、なぜこんなことが起きてしまうのかというと、それは双方が相手に依存しているからだと本書では紹介されています。
進捗が不明と言う時、上司は「相手が報告してくるのを待ってた」などと言いますし、一方で部下は「聞かれたら報告するつもりだった」などといいます。
どちらかが悪いではなく、どちらも相手に依存してしまっていることが問題の原因なのです。
対策としては、もちろん、「依存しないように」なんて言っても問題は解決しないので、本書では具体的な策が紹介されています
対策としては2つ紹介されていました。
順に紹介していきます。
1つ目は「コミニケーション計画を作る」です。
これは定例会などを設定するなどということです。
自発的な報連相を待つだけではなく、定例会を設けて、自然と報連相をしてしまう仕組みを作るようなイメージです。
定例会などの場があれば、ちょっとしたことでも報告しようという気になります。
みなさんもわざわざ上司に声をかけて報告するまではないけど、定例会があって「何かあるか?」と聞かれたら言おうかなみたいなことってあったりしませんか?
また、担当者が小さな問題だと思っていても、上司に相談してみたら、実はかなり大きな問題だったなんてこともあるので、こういった声を拾える仕組みはとても重要です。
2つ目は「フォロー役を設ける」です。
いかに上司と部下、双方からの働きかけが重要といっても、今の人員不足の時代では自分自身でも業務をこなしながらマネジメント業務もこなすプレイングマネージャーも多く上司の負担が過大になりがちです。
なので第三者のフォロー役を設けましょうということです。
この方法はマネージャーの負担を減らす以外にも、第三者がフォローをするところにもメリットがあったりします。
当事者同士、例えば、上司と部下だと少し働きかけにくいと言うこともあったりしませんか?
上司が部下に進捗を確認すると、単に確認したいだけなのに、部下はせかされているように感じてしまったり、部下から報告しようとすると、もう少し進捗してから報告したほうがいいかなぁなんて迷いが生じたりします。
そこで 第三者が確認することで他意なく、シンプルに進捗を確認することができます。
以上が、2つ目の問題の「仕事の進捗が不明」についての原因と対策の紹介でした。
今回紹介したような「期限通りに仕事が終わらない」や「仕事の進捗が不明」といった問題は最近になって出てきた問題ではなく、昔からよく言われる問題だったりします。
そして昔から言われる問題だけに、解決策らしきものもは、たくさん世の中に出回っています。
しかしこのような問題はなくならないのは、論理的に正しい解決策が常に正しいとは限らない、正論を言うことだけが正しいわけではない、ということではないでしょうか?
進捗が不明だから「報連相をしっかりしましょう」と強く言っても、一時的には報連相が増えるかもしれませんが、徐々に元に戻っていってしまいます。
人の意思だけに頼る方法では、なかなか問題は解決しません。
メンバーの人間的な部分も加味しながら、特に意識しなくても自然と報連相をしてしまうような仕組みを作って初めて、これらの問題が解決できます。
今回紹介した2つの問題の解決策は、そのままでも適用できるものだと思いますが、そのままの適用が難しい場合は、ぜひアレンジして使ってみてください。
その際は人間的な部分を加味した仕組み作りをするということを意識していただければと思います
それでは最後に今回のエピソードのまとめをします。
今回のエピソードでは、沢渡あまねさんの「仕事の問題地図」という本から「仕事が期限通りに終わらない」と「仕事の進捗が不明」という2つの問題について、原因と対策を紹介しました。
内容を復習すると、
「仕事が期限通りに終わらない」原因は、次の4つでした。
・計画に柔軟性がない
・計画・管理が甘い
・知識・スキルがない
・過度な自責意識
で、これらを受けての対策としては、
・バッファを設けて計画を作る
・メンバー同士コミニケーションを取る
・計画変更をコントロールする
・横槍をコントロールする
でした。
バッファーを設けて計画を作るとは、計画の変更や横槍が多少はいっても、対応できるようにあらかじめ、期限に余裕時間を設けておくということでした。
また、バッファーとしては、予定所要時間の1~2割が一般的とも紹介しました。
メンバー同士コミニケーションを取るについては、メンバーの知識・知恵を借りながら、適切な計画を立てたり、困っているときにお互いをフォローしあうために、コミュニケーションをとって、情報共有するということでした。
計画変更をコントロールするとは、担当者個人の思いつきでどんどん変更が加えられないように、一定のプロセスを踏まないと計画変更ができないようにするということでした。
横槍をコントロールするとは、自分のスケジュールに”集中する時間"などと予定を入れて、横槍を入れられない集中できる時間を確保するということでした。
次、2つ目の「仕事の進捗が不明」という問題の原因は次の2つを紹介しました。
・報連相がない
・誰も進捗フォローをしない
で、これらを受けての対策としては、
・コミュニケーション計画を作る
・フォロー役を設ける
の2つでした。
コミュニケーション計画を作るとは、定例会などを設けて、報連相をメンバーの自発性に頼るのではなく、仕組みとして自動的にできるようにするという狙いです。
また、フォロー役を設けるとは、当事者同士では働きかけにくい場合もあるので、第三者のフォロー役を設けるということでした。
内容は以上です。
今回のエピソードの参考にさせていただいた沢渡あまねさんの「仕事の問題地図」のリンクを概要欄に貼っておきましたので、興味のある方はぜひご覧ください。
それでは今回も最後まで聞いていただきありがとうございます。
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では、また次のエピソードでお会いしましょう。