本エピソードの内容
今回のエピソードでは、クラウディア・ハモンドさんの「193の心理研究でわかったお金に支配されない13の真実」から、以下のお金にまつわる心理的傾向を紹介します。
・場面によって同じ金額でも価値の感じ方が変わる。
・人は損を極端に回避しようとする。
・人は自分の所有物を過大評価しがち。
・お買い得情報が脳をパンクさせる。
文字起こし
こんにちはサラリーマンポッドキャスターのまことです。
この番組では読書好きな私が日々の読書で学んだことを紹介していきます。
エピソードの概要
今回のエピソードではクラウディア・ハモンドさんの「193の心理学研究でわかったお金に支配されない13の真実」という本を紹介していきます
本書はタイトルからもわかるように、人々のお金に関する心理の研究結果を紹介するものです。
内容としては、ほぉっと感心するような面白い雑学的なものから、日々の節約に直接つながるような実用的なものまでが紹介されています。
今回のエピソードで、その全てをお伝えすることはできませんが、実用的なものの中から4つだけ紹介します。
この4つは、人にはこんな心理があるということを認識していないと経済的に損をしてしまうのではないかと思った人間の心理なので、ぜひ聞いていっていただき、あなたご自身の実生活で役立てていただければと思います。
皆さんの中にも、過去を振り返ってお金の使い方で失敗したなぁといった経験がある人も少なくないのではないかと思います。
例えば、セールで大幅値引きされていたから欲しくなって買ってしまったけど、家に帰って冷静になると、なんでこんなもの買ってしまったんだとなるとなるような経験、1度はあるのではないでしょうか?
人はお金が絡んでいなければ冷静に正しく判断できるようなことでも、お金が絡んだ途端、間違った判断をしてしまうことがあるようです。
お金に関して、どういった心理が働くのかを知っておくだけでも、自分の心理状態を客観視できるようになり、間違った判断をしにくくなります。
なので、できるだけ多くのお金に関しての心理を知っておくことが有効な手段ですが、時間の限りもあるので、厳選した一部のみを今回のエピソードで紹介していきます。
それでは早速紹介していきます。
場面によって同じ金額でも価値の感じ方が変わる
1つ目は「場面によって同じ金額でも価値の感じ方が変わる」です。
これは、皆さん経験したことがあると思います。
例えば、あなたはレンタカーを借りたいと思っています。
ネットで調べたところ、家から徒歩10分のお店ではトヨタのプリウスが24時間2万円で借りられます。
一方、家から徒歩20分先のお店、つまり、先程のお店よりも10分余分に歩かないといけないレンタカー屋だと、全く同じトヨタのプリウスが24時間1万円で借りれたとします。
この場合、よっぽどのことがない限り、10分余分に歩いてでも1万円安く借りられるレンタカー屋に行くと判断すると思います。
10分で1万円安くできるなら歩く価値があると感じますよね
しかし、うってかわって車を購入するとなった場合はどうでしょうか?
例えば、徒歩20分のディーラーでは500万円、徒歩10分のディーラーでは501万円だとしたらどうでしょうか?
500万円と501万円なら1万円は誤差で、どちらのディーラーもほぼ同じ金額と捉える人が多いのではないでしょうか?
もちろん、車の購入の場合、買ってからのメンテナンス等もあるので、長期的に見れば少し高くても、近いディーラーの方がお得という判断をする人もいるかもしれません。
しかし、今お伝えしたいのは、同じ1万円でも、状況によって心理的には異なる捉え方をされることがあるということです。
さらに言えば、状況によっては、小さな差をシビアに見るのに、大きな差を見逃すということもあります。
やりがちな例としては、日々の出費を軽く見てしまうということです。
例えば、旅行時のレンタカー代や飛行機代など、単発でかかる費用については数千円の違いをシビアに見て選ぶ人がほとんどだと思います。
しかし、月々のスマホ代、電気・ガス料金等はあまりシビアにならない人が多いように感じます。
スマホは大手キャリアを使っていると毎月1万円弱かかってしまいますが、格安スマホにであれば毎月2,3千円となり大幅に抑えることができます。
1年に換算したら10万円近い差です。
単発の数千円にシビアになって、毎月の数千円にシビアにならないのは合理的な判断とは言えないですよね。
このように、1円は、どの1円でも、誰の1円でも、同じ1円というのは論理的には正しいですが、心理学的にはそうはなっていないということが研究からわかっています。
そういった心理的な傾向を理解し、合理的な判断ができるように意識することで日々の出費を抑えることができます。
人は損を極端に回避しようとする
次、2つ目は「人は損を極端に回避しようとする」です。
「そりゃ、誰だって損はしたくないよ」と思われる方もいるかもしれませんが、人の損をしたくない思いは異常とも言えるもので、ある研究によると人の損をしたくないという思いは、それと同額の得をしたいという思いの倍以上強いことが明らかにされています。
この心理的傾向を損失回避といいます。
モノを売る人は、この損失回避を使ってセールスをしかけてきたりします。
例えば、「今買うとお得」という宣伝文句よりも「今買わなきゃ損」という方が人は反応しやすくなります。
モノを売る側の人はあの手この手で商品を買ってもらおうとします。
買う側の我々が、こういった人間の心理傾向を知らないと、売る側の人たちの思い通りに動かされてしまいます。
もし、あなたがお店で「今買わなきゃ損ですよ」と言われたら、いちど冷静になってみて、その商品が本当に必要で欲しいと思っているのか、または、損失回避が働いて欲しくなってしまっているだけなのかを判断しないといけません。
人は自分の所有物を過大評価しがち
次、3つ目は「人は自分の所有物を過大評価しがち」です。
これは授かり効果と呼ばれるものです。
大量生産で、多くの人が全く同じようなものを持っているとしても、他人が持っているものより自分が持っているものは価値が高いと判断する傾向が人にはあります。
そして、さらに、自分の所有物の価値を高く評価するゆえに、それを手放したくないとも考えます。
もしかすると、この心理はものを大事にする良い傾向と考える人もいるかもしれません。
この心理的傾向が厄介なのは、あらゆるものに働いてしまうからです。
例えば、サブスクリプションサービスのようなものにも働いてしまいます。
Netflixのような毎月定額のサービスは大抵初月無料だったりしますよね?
初月無料だからといって安易に加入してしまうと授かり効果が働いてしまいます。
1ヵ月間そのサービスを受け続けると、そのサービスを受けることに慣れてしまい、サービスを辞めるとなると喪失感を味わうことになります。
その結果、実際はあまり活用できていないのに、喪失感を味わいたくないというだけで、サブスクリプションサービスをやめにくいといった状況が生まれます。
様々なサブスクリプションサービスに加入してしまっている人は、授かり効果という不合理な理由だけで続けていないかを確認したほうがよいかもしれません。
大抵のサブスクリプションサービスは、いつでもやめれて・いつでも再加入できるので、一度やめてみて、それでも必要だと思ったら再加入するというのが良いと思います。
お買い得情報で脳がパンクする
最後、4つ目は「お買い得情報で脳がパンクする」です。
ただでさえ、商品を買うか否かの意識決定は複雑です。
割引は、その商品を買うか否かの意思決定をさらに複雑にします。
例えば、「3つ買ったらおまけがついてくる」や「2つ買ったらお得」といった売り方を目にする人も多いと思います。
こういった売り方をされると、そうでなければ買わないような品まで買ってしまったりするものです。
また別の例では、割引率によっても騙されたりします。
例えば5000円のものが20%オフと2000円のものが50%オフなら、どちらも節約できるのは1000円です。
しかし、50%オフの方が、なんだか、よりお得な感じがしませんか?
こういったお買い得情報が脳をパンクさせ、間違った意思決定を引き起こすことがあります。
このような不合理な意思決定をしないための対処法としては、「それらの割引がなかった場合でも同じものを買ったかどうか」と考えてみることです。
お得にお買い物をしたいのは皆さん共通ですが、お得につられて必要のないものまで買ってしまっていないでしょうか?
言うまでもなく不要なものは買わないのが、最もお得です。
以上が4つのお金に関する人の心理の紹介でした。
今回紹介した内容を意識して、現在の出費を見直したり、今後のお買い物の際無駄なものを買わないようになど役立ててみてください。
まとめ
それでは、今回のエピソードのまとめをします。
今回はクラウディア・ハモンドさんの「193の心理研究でわかったお金に支配されない13の真実」という本から、4つのお金に関する人の心理を紹介しました。
その4つとは
・場面によって同じ金額でも価値の感じ方が変わる
・人は損を極端に回避しようとする
・人は自分の所有物を過大評価しがち
・お買い得情報で脳がパンクする
でした
それぞれ、簡単に復習すると、
「場面によって同じ金額でも価値の感じ方が変わる」は、
そのままですが、同じ金額の感じ方が変わるだけではなく、小さな出費はシビアに見るのに大きな出費を意識しないことがあると紹介しました。
特に、日々の出費と単発の出費では日々の出費を軽く捉えがちで、大きな出費を垂れ流していても見逃している可能性があるとも紹介しました。
2つ目の「人は損を極端に回避しようとする」は、
人の損をしたくないという思いは異常に強く、それと同額の得をしたいという思いの倍以上と示す研究があると紹介しました。
これを意識して、損失回避という心理傾向を働かせるセールスに踊らされないようにという話をしました。
3つ目の「人は自分の所有物を過大評価しがち」も、
そのままですが、人は自分の所有物を過大評価しがちで、それはサブスクリプションサービスのようなものにまで働くので、さまざまなサブスクリプションサービスに加入している人は、一度、このような心理的傾向のみによって、加入し続けているのではないかを確認するのが良いと紹介しました。
最後の「お買い得情報で脳がパンクする」は
商品を買うか否かという、ただでさえ複雑な意思決定を、割引という情報はさらに複雑にします。なので、「その割引がなくてもその商品を買ったか」と自分に問いかけてみて、割引というお得感のみで不要なものを買わないようにするということを紹介しました。
復習は以上です。
今回紹介したクラウディア・ハモンドさんの「193の心理研究でわかったお金に支配されない13の真実」には、このようなお金にまつわるさまざまな心理研究が紹介されています。
心理的傾向は、そのような心理的傾向があると知っているだけでも、それに踊らされにくくなります。
本書のリンクを概要欄に載せておきましたので、興味がある方はぜひ本書を手に取って、いろんなお金にまつわる心理的傾向について知識を深めてみてください。
1600円ほどの本ですが、本書の内容を実践できれば、確実にその値段以上の出費を抑えることができます。
それでは今回も最後まで聞いていただきありがとうございます。
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ではまた次のエピソードでお会いしましょう。