こんにちは、まことです。
今回は外山滋比古さんの「思考の整理学」という本を紹介します。
本書は1986年発行の古い本でありながら、「東大・京大で一番読まれた本」として注目され、240万部突破のベストセラーとなった一冊です。
本書を紹介する理由
私が本書を紹介しようと思った理由は、本書を読んで創造的思考のヒントが得られたので、皆さんにも共有したいと考えたからです。
本書は、1986年発行という古い本ながら、コンピューターに仕事が奪われることを予見し、コンピューターに代替されない人間らしい創造的な思考をするためのヒントを紹介しています。
発行以来、すでにコンピュータに奪われた仕事はありますが、AIの発達により、この流れはさらに進むと考えられ、今読んでも十分に役立つ本です。
紹介されるいくつかの具体的な方法の中には、古さを感じるものもいくつかありますが、おおもとの考え方は今でも古さを感じさせません。
みなさんに創造的思考のヒントを見つけてもらえればと思います。
要約
本書の構成は、1冊を通して、思考を整理するための1つの方法を紹介するのではなく、たくさんの方法を各章、1話完結のような形で紹介しています。
そのうちで私がこれは良いと思ったものを4つ紹介します。
ポイント①:一つのことだけに囚われない
他のテーマには脇目も振らず、一途にあるテーマのみに集中することは、とても良いことのように見えますよね?
しかし、この方法は効率が悪い方法かもしれません。
「予想外のものを発見する」という意味のセレンディピティという言葉があります。
みなさんも。必死で探していた時には、全然見つからなかったのに、ふとした時に偶然見つかるという経験があるのではないでしょうか?
これがセレンディピティです。
皮肉なことで、人は見ているはずなのに、見えていないということが、起こりえます。
本書は、このセレンディピティが知的な分野にも起きえると紹介しています。
あるテーマについて精通したいと思っていても、そのテーマのみに専念するのではなく、関連する他のテーマにも興味を持つことが、結果的に、あるテーマについて精通する近道になるかもしれないということです。
ポイント②:とにかく書いてみる
「考えをまとめたいけど、なかなか思うようにいかない」「頭の中がもやもやする」、みなさんもこのような経験があるのではないでしょうか?
こんな時におすすめなのが、”とにかく書いてみる”ということです。
深く考えずに、頭に浮かんだことを、そのまま紙に書き出していきます。うまく書こうなんて考える必要はありません。とにかく書き出します。
すると、不思議と頭の中がすっきりしてきます。
頭の中だけで考えているというのは、同じ内容がグルグル回っているだけで、前進していません。考えているというよりかは悩んでいるという状態です。
書き出すことによって、思考が整理でき、悩んでいる状態から抜け出し、本当の意味で考えている(前に進めている)状態になることができます。
ポイント③:情報の集め方
何かについて調べる・何かについて知りたい、このような状況はみなさんにも多くあると思います。
このような時、何も考えず、いきなり情報収集をはじめたりしてしまっていないでしょうか?
これでは情報収集の効率はとても悪くなってしまいます。
情報収集をしている人は、欲張りになってしまうようで、「これも重要かも、あれも重要かも」と何でもかんでも自分のものにしようとしてしまいます。
本を読む時に、すべての内容を暗記しようとしてしまうなどが良い例です。
何でもかんでも覚えようとすると、人はなにも覚えてれないものです。
解決策としては、何かを調べる時には、まず、何のために、何を調べるのかを明確にしてから調べるのが良いです。
知りたいことが明確になると、人はその情報には敏感になって、情報を見逃しにくく、得た情報も忘れにくくなります。
ポイント④:声に出して読む
原稿におかしなところがないか探す読み直しは声に出すと良いです。
読んでみて、読みつかえるところがあれば、かならず問題がひそんでいます。黙って読み返しているだけでは、大抵、こういうところも見逃してしまいます。
仕事中など、声に出して読めない状況の場合は、声に出すつもりで読んでみましょう。これでも、同じような効果があるようです。
私の経験では、文章でなくても、パワーポイントなどで作成した説明資料でもこの方法は有効です。
頭の中で構築した説明のストーリーに合わせて作ったつもりの資料でも、実際に説明してみると、とどこおる部分があって、論理が成り立っていないところが見つかったりします。
アクションプラン
今回紹介したものは、すべて実践してほしいものではありますが、全て実践しようとすると逆に何もできないということになりかねないので、すぐに実践してほしいものを1つに絞ります。
それは「とにかく書いてみる」です。
書いてみることの効果は絶大です。
とはいえ、とりあえず書いてみろと言われても難しいと思います。
書き方については、赤羽雄二さんの「ゼロ秒思考」が参考になると思います。
実践方法
用意するのはA4の紙とボールペンだけです。
紙を横長の向きに置き、左上にテーマを書きます。そのテーマにそって、1分間頭の中に浮かんだことを書き出すという方法です。
1テーマ1枚で、書き出します。仕事のことでも、学業のことでも、プライベートの悩みについても、なんでも良いです。
悩みについてだったら、まず、抱えている悩みをすべて書き出す。その後、なぜそれが悩みなのか書き出す。こんな流れで頭の中のものを書き出していきます。
(これは一例なので、やり方はなんでもOKです。)
効果
悩み事は頭の中だけで考えていると、あれもこれも気になると、たくさんの悩みを抱えているように感じますが、書き出してみると意外と少なかったりして、冷静に対処できるようになったりします。
やってみるまでは、こんな簡単なことで、効果があるのか、と疑問に思ったりもしますが、やってみると驚くほど効果があったりします。
書き出すと、頭の中がすっきりするので、複雑な問題に直面しても、書き出せばいいやと最強の武器を手に入れたような感覚にすらなれます。
ぜひ、「頭の中のことを書き出す」これだけで良いので実践してみて下さい。
以上、「思考の整理学」の紹介でした。
これからもビジネスに役立つ本を紹介していきますので、応援よろしくお願いいたします。