この記事は、ポッドキャストの文字起こしのテキストです。
こんにちは、サラリーマンポッドキャスターのまことです。
この番組では、読書好きな私が、日々の読書で学んだことを紹介していきます。
今回のエピソードの内容
今回紹介するのは、津田久資(つだ・ひさし)さんの「世界一わかりやすいロジカルシンキングの授業」という本です。
本書は、論理的な思考を使って、アイデアを出す方法を紹介しています。
仕事でアイデアを出すというと、「新商品の開発に関わる人しかつかえないじゃないの?」と思われるかもしれませんが、実は、ほとんどのビジネスパーソンはアイデアを出す能力を求められています。
例えば、業務改善のようなどうしたらもっと効率的にミスなく業務が進められるかなどのアイデアを求められることがあったり、または、発生している問題に対して、考えられる原因には何があるかなどのアイデアを求められたり。
こんな感じでほとんどのビジネスパーソンはアイデア出しを求められています。
なので、普段の仕事で、アイデア出しって活動はあまりしないなぁと思われた方も、実はアイデアを出す場面は意外とあって、多くの人に役立てれる内容だと思いますので、ぜひ、最後まで聞いていっていただければと思います。
今回のエピソードを聞くメリット
もしかしたら、こんな風に思っている人もいるかもしれません。
私の会社では、今までの延長線ではない新しいアイデアが求められているんだ。
だから、ロジカルシンキングのように、論理的に進めてたどり着くようなアイデアではダメなんだよ。
だから、私はロジカルシンキングではなく、直感でアイデアを出すしかないんだよ
こう思っている人もいるかもしれません。
私自身も感覚的には、アイデアは直感で出すものというイメージはありました。
しかし、実際は、ロジカルシンキングを全く使わずに出すアイデアが、ロジカルシンキングを使ったアイデアをう超えることはなかなかありません。
例えば、トヨタ自動車が発売している車をできる限りあげてください。と言われた場合。
闇雲に車種名をあげていくよりも、まず自動車には、セダン、ミニバン、SUVがあるなどと整理して、トヨタ自動車が出すセダンタイプの車は~と順番に考えた方が多くの車をあげることができると思いませんか?
ブレインストーミングみたいに、とりあえず頭に浮かんだものを、あげまくるというのも一旦はありですが、一度あげ切ったら、論理的に整理して、思考の偏りや穴を埋めていくというのが良い方法です。
ロジックツリーを使ったアイデア出し
では本題に入っていきます。
もしかしたら、勘の良い方だと先程の例で、気づかれたかもしれませんが、ロジカルシンキングを使ったアイデア出しとは、ロジックツリーを使ったアイデア出しです。
ロジックツリーとは、ある項目について分解し、それをツリー状に並べたもののことです。
Aという項目は、BとCに分解できる、さらにBという項目は、DとEに分解できるというのを、植物の根っこみたいに並べたものです。
ご存知の方も多いと思いますので、ロジックツリーについての説明はこれくらいにします。
言葉だけでは伝わりにくいので、ご存知ない人はご自身で調べてみてください。
ロジックツリーという名称は知らなくても、みたことはあるんじゃないかと思います。
基本的なロジックツリーの使い方は先程の紹介した例のように分解していくという方法ですが、詳しく紹介すると、ロジックツリーの使い方は3つに分類できます。
それは、What型とWhy型とHow型です。
ぞれぞれ解説していきます。
What型
まずは、What型。
What型のロジックツリーでは、上位の項目が「何で構成されるか?」という視点で、分解していきます。
先程紹介した車の例がこれにあたり、トヨタ自動車が販売する車は何で構成されるかで分解しました。
また、例では、セダンやミニバンSUVなど自動車の形状で分解しましたが、それだけが正解ではなくガソリン車、ディーゼル車、ハイブリット車、電気自動車などと分解することもできます。
このように分解の仕方には唯一の正解はありませんが、分解する上で注意すべきことが1つあります。
それは、"もれなくダブりなく"ということです。
最初の例では、説明を短くするために、自動車には、セダン、ミニバン、SUVがあると分解しましたが、実際にはワゴン車やクーペなどがあり、これらがもれてしまっています。
こういったもれが発生しないようにということです。
また、項目が多ければいいだろうということで、テキトーに追加するのはNGです。
例えば、セダン、ミニバン、SUV、ワゴン、クーペの並びの中に、コンパクトカーと入れてしまうと、ダブりが発生してしまいます。
小さなセダンはセダンタイプにもコンパクトカータイプにも該当してしまうみたいなことです。
これは、最初は、車の形状という切り口で分解していたのに、急に大きさという切り口で分解してしまったからです。
分解する際は、途中で切り口を変えないようにします。
ちなみに、自動車メーカーの公式HPのラインナップのページには、セダン、ミニバンなどの並びにコンパクトカーという分類が並んでいることが多いですが、これは、もちろん間違えてしまっているのではなく、厳密にもれなくダブりなくで分類するよりも、ユーザーが車を探す際の利便性を考えた結果だと思います。
以上が、1つ目のWhat型のロジックツリーの紹介でした。
Why型
次は、2つ目のWhy型のロジックツリーの紹介に移っていきます。
Why型のロジックツリーは、主に問題を分解し、その原因は探り出す時に使用します。
上位の項目を「原因は何か?」という視点で分解していきます。
本書で紹介されていた例を紹介します。
A私鉄という鉄道会社の乗客が減ったという問題の原因を探るためのロジックツリーです。
まず、乗客が減ったという問題を「シェアが減った」と「沿線住人で電車に乗る人数が減った」と分解します。
そして、「シェアが減った」は「B私鉄にシェアを奪われた」「C私鉄にシェアを奪われた」と分解でき、「沿線住人で電車に乗る人数が減った」は「沿線住人の数が減った」と「電車に乗る頻度が減った」などと分解できます。
本書では、もっと深堀して、分解を進めていましたが、ここではイメージをつかんでもらえればいいので、分解は以上にします。
このように、問題の原因を洗い出していくことができます。
どうでしょうか?こうやって論理的に分解していく方が、闇雲に原因を推定するよりも、確実に真の原因に近づけると思いませんか?
問題を解決するには、まずは、原因を特定することが必要です。
ビジネスの場では、問題解決を実施することが多いと思いますので、このWhy型のロジックツリーを活かせる場面はみなさんの仕事でも多いと思います。
ここまでが、Why型のロジックツリーの紹介でした。
How型
ここからは最後3つ目のHow型のロジックツリーについて紹介していきます。
How型のロジックツリーは主に課題を分析し、その解決策を見つけ出す時に使用します。
上位の項目に対して、「どうやって実現するか?」という視点で分解していきます。
こちらも本書で紹介されていた例を紹介します。
ラーメン屋さんが「うちのラーメンを美味しくしたい」という場面でのHow型ロジックツリーです。
「ラーメンをおいしくする」は、「おいしいイメージをつくる」と「本当に美味しくする」に分解できます。
美味しいイメージを作るというのは、雰囲気の良いお店は料理も美味しく感じるので、そういうアプローチで美味しく感じさせるという意味ですね。
さらに分解して、「本当に美味しくする」は「ラーメン自体の味をよくする」と「寛容な味覚のお客に提供する」に分解できます。
「ラーメン自体の味をよくする」はスープや麺、具を改良するとかでイメージつくと思いますが、「寛容な味覚のお客に提供する」は、ちょっとイメージつきにくいと思いますので、少し説明します。
例えば、お腹が空いていれば、なんでも美味しく感じるので、空腹の人をターゲットにするとか、酔っ払うと味覚が寛容になるので、2次会・3次会の人をターゲットにするとか、食前酒を出すとかそういったアプローチです。
このHow型のロジックツリーの「それをどうやって実現するか?」という考え方はビジネスの場ではかなり使う考え方ではないでしょうか?
直感的に考えたら、「ラーメンを美味しくする」を実現するには、スープ、麺、具を改良するくらいしか思いつかなそうですが、このロジックツリーを使って、考えることで、さまざまな手法を思いつくことができます。
以上が、3つのロジックツリーの型です。
アイデアだしの方法として、ロジックツリーについて紹介しましたが、もちろん、これを使えば、勝手にアイデアが広がるわけではありません。
ラーメンをおいしくするためには、スープ、麺、具を改良するしかないと思っていた人が、ロジックツリーを使い始めた途端、お店の雰囲気を変えるとか、全く別のアプローチを思いつくわけではありません。
しかし、ロジックツリーを使って、思考を整理しながら、思考を見える化することで、視覚的に、ここの思考が広がっていないとわかるようになります。
すると、もうちょっとここの方法を考えてみようとか、そういった気づきが得られるという面で、このロジックツリーを使ったアイディア出しは有効だと思います。
まことの補足・解説
また、これは私個人としての意見ですが、ロジックツリーを使ってアイデア出しをする場合は、どうやって分解するかだけではなく、そもそも上位の項目だと思っているものも、より上位の項目の一部ではないかという視点で考えることも重要だと思います。
わかりにくいので、具体例を紹介します。
例えば、英語圏の人との会議をうまく進めたいと言う場面があったとします。
直感的には、まずは、語学の英語の勉強をしなきゃという考えに至ると思います。
会議をするために必要な英語は、リスニングとスピーキングであり、リスニングはどうやって勉強するか、スピーキングはどうやって勉強するかと深ぼって考えていくと思います。
それでも、うまくいかなければ、リスニング・スピーキングをもっと勉強したり、勉強方法を変えてみたりと言う方法をとると思います。
しかし、英語圏の人と会議をうまく進める方法は語学の勉強だけでしょうか?違いますよね?
もし語学ができれば会議が完璧に行くのであれば、日本人同士の会議は完璧にできることになります。
実際は、そんな事は無いわけで、会議をどのように進めていくかの会議設計の話やファシリテーションなどいろんな習得すべきスキルがあるわけです。
ロジックツリーに置き換えると、 もともとは「語学を習得するにはどうしたらいいか」が最上位の項目だと考えて、それをどうやって実現するかという視点で、分解を進めていたわけですが、実は、語学を習得するという項目も、「英語圏の人との会議をうまく進めるには」という項目を分解した先の一項目だったと気づいたわけです。
このように、ロジックツリーを使うときは、分解の方向のみに考えるのではなく、その項目がそもそも他の項目を分解したものではないかと言う視点で考えるのも重要だと思います。
アクションプラン
ここまででは、ロジックツリーの3つの型についての紹介とロジックツリーを使う時の視点の注意点を紹介しました。
ここからは今回学んでいただいた内容をどう活かせば良いのかについてアクションプランを紹介していきます。
今回のエピソードでみなさんに提案するアクションプランは、「自分の抱えている問題の原因、または、課題の解決策についてロジックツリーを作成してみる」です。
ロジカルシンキングというのは、生まれ持った才能ではなく、磨けば伸びるスキルです。
ぜひ、練習をして伸ばしていっていただければと思います。
また、なかなか「自分の抱えている問題・課題といわれても・・・」と思い付かない方もいるかもしれません。
その場合は、本書で紹介されていた演習問題の「『ある国の人口が減った』という問題の原因についてロジックツリーを作成」をしてみてください。
最初は、もれなくダブりなくというのは、やりにくいと思いますが、やっていくうちにできるようになります。
最初から完璧にできなくてもいいので、まずは、直感で思い浮かんだ原因・解決策よりも多くの原因・解決策の洗い出しができるようになることを目指しましょう。
まとめ
それでは最後に今回のエピソードのまとめをします。
今回のエピソードでは、津田久資さんの「世界一わかりやすいロジカルシンキングの授業」について紹介してきました。
「世界一わかりやすいロジカルシンキングの授業」という本はロジカルシンキングを使ったアイデア出しのを紹介するという内容で、そんな中からロジックツリーを使ったアイデア出しという話を紹介しました。
内容を復習すると、ロジックツリーには、3つの型があると紹介しました。
What型のロジックツリーでは、上位の項目が「何で構成されるか?」という視点で、分解します。
How型のロジックツリーは主に課題を分析しその解決策を見つけ出す時に使用するもので、上位の項目に対して、「どうやって実現するか?」という視点で分解していきます。
Why型のロジックツリーは、主に問題を分解し、その原因は探り出す時に使用するもので、上位の項目を「原因は何か?」という視点で分解していきます。
そして、今回学んだことから、みなさんには、「自分の抱えている問題の原因または課題の解決策についてロジックツリーを作成してみる」というアクションプランを提案をしました。
ぜひ、アクションプランを実施していただき、その後も続けいただくことで、論理的思考力を磨いていただければと思います。
世の中のロジカルシンキングや論理的思考法の本には、論理的に話すことや論理的な文章を書くという本が多い中、本書は論理的にアイデア出しをするというなかなか珍しい一冊となっています。
今回のエピソードでは紹介できませんでしたが、本書には「論理的思考をなぜ使わないといけないか」ということも紹介されていました。
やはり、スキルを持っていても「論理的思考をなぜ使わないといけないか」という納得感がないと、なかなか論理的思考を使って成果を出すと言う事はできないと思います。
その点でそもそも「なぜ論理的思考を使わないといけないか」が解説されている点でも本書は類似の書籍と一線を画すと言えます。
概要欄に本書のリンクを貼ってありますので、興味を持たれた方はぜひチェックしてみてください。
それでは今回も最後まで聞いていただきありがとうございます。
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また次のエピソードでお会いしましょう。