この記事は、ポッドキャストの文字起こしのテキストです。
こんにちはサラリーマンポッドキャスターのまことです。
この番組では、読書好きな私が、日々の読書で学んだことを1回の放送につき、1つ紹介していきます。
今回のエピソードの内容
今回のエピソードでは、高田貴久さんと岩澤智之さんによる「問題解決ーあらゆる課題を突破するビジネスマン必須の仕事術」という本を紹介します。
お二方については、前回のエピソードでも簡単に紹介しましたが、聞かれていない方もいらっしゃると思いますので、簡単に説明します。
このお二方は、多くの会社で問題解決や課題解決を手がけてきた方です。
その経験をもとに書かれたのが本書で、本書は「問題解決の教科書」とも言えるような内容になっています。
この紹介だけだと、「数ある問題解決のビジネス書と何が違うんだ。」と思われる方もいるかもしれないので、もう少し紹介しますと、・・・
著者はトヨタ自動車やソニー、三菱商事など名だたる大企業で問題解決の講座・研修を実施してきて、その経験を活かし書かかれたのが本書です。
そのため、業界を問わず活かせる知識が紹介されており、また、理論的な話だけでは終わらない、実践的な内容が紹介されています。
そんな本書の中から今回は「多くの企業がやってしまっている問題解決の間違ったやりかた」という話を紹介します
今回のエピソードを聞くメリット
みなさんの会社ではこんな問題解決をしてないでしょうか?
解決しなければならない問題が発生した時、その問題の原因を考えて、それに対しての対策を打つんだけれども、 その対策がうまくいかなかったら、振り返りをしっかりせずに、また1から原因を考え直して対策を打つ
こんなことをしていないでしょうか?
PDCAサイクルでいうPの計画とDの実行のみやって、Cの評価、Aの改善をやっていないようなイメージです。
著者が数多くの企業の問題解決を実施してきた経験では、PDCAサイクルのPDPDと回してしまっている企業が多いとのことです。
今回のエピソードでは、このPDPDよくない理由説明し、その後、問題解決においてのCの評価と、Aの改善は具体的に何をすれば良いのかを、著者がさまざまな成長企業を見てきた経験から得たという内容を紹介します。
PDPDがいけない理由
では、なぜそもそもPDPDがいけないのか?ということについて説明します。
PDPDがいけない理由が理解できなければ、それを改善しようとすら思わないですよね?
ですから、まずはいけない理由から説明していきます。
なぜPDPDが良くないのかと言うと、PDPDはいわゆるやりっぱなしだからです。
振り返りをすることなく、毎回新しい計画を立てては実行し続け、計画が改善されることがありません。
改善されないだけであれば、まだマシですが、 毎回新たに計画を立てるので前回よりも悪い計画を立ててしまうことも往々にしてあります。
たとえ、PDPDでも続けていれば、それが成果につながることもありますが、なかなか問題が解決されずに組織のリソースを消耗してしまうため、みなさん自身もみなさんの所属する組織全体も疲弊してしまいます。
これがPDPDが良くない理由です。
頑張っているのに、状況が改善されずに、疲弊していくのは、いやですよね?
では、どのようにCとAをやっていけば良いのかということを、 ここから先で紹介していきます。
問題解決におけるC(評価)とA(改善)のやり方
まずは、Cについて。
Cを正しく実行するためには、Pを正しく設定している必要があります。
正しく設定されたPとは、例えば、「売上を10%向上」させるために、「新規顧客50件訪問」といった感じで、数値で目標が設定されていることです。
そして、Cを正しく実行するとは、
・ゴールの「売上を10%向上」が達成されているか?
・「新規顧客50件訪問」が達成されているか?
を確認するということです。
数字で比較するので、すぐにでき、判断が人によってばらつくようなこともありません。
Cが終わったら、次はAの改善に移っていきます。
当然、Aの改善は、Cの評価の結果で変わってきます。
Aのやり方を説明する前にCのパターンについて説明します。
Cのパターンには4つあります。
なんのことかつかめていないひとも、 いらっしゃると思いますが聞けばわかると思います
今紹介した、「売上を10%向上」させるために、「新規顧客50件訪問」するという計画を立てた場合のCの4パターンの具体例です。
・ゴールの「売上を10%向上」を達成し、手段の「新規顧客50件訪問」も達成している
(やるべきことをやって、目標も達成できたパターン)
・ゴールの「売上を10%向上」を達成しているが、手段の「新規顧客50件訪問」は未達
(やるべきことをやりきれなかったけど、想定外に目標達成はできたパターン)
・ゴールの「売上を10%向上」は未達だが、手段の「新規顧客50件訪問」は達成している
(目標は達成できなかったけど、やるべきことはやったパターン)
・ゴールの「売上を10%向上」は未達で、手段の「新規顧客50件訪問」も未達
(やるべきことができず、目標も達成できなかったパターン)
これらの4パターンでAの改善は実施内容をそれぞれ紹介していきます。
1つ目の「ゴールの「売上を10%向上」を達成し、手段の「新規顧客50件訪問」も達成している」場合。
この場合、問題解決は成功したといえます。
しかし、成功したからといって終わり、ではありません。
改善の取り組みは、問題解決のそれまでの取り組みを標準化することです。
標準化する理由は、別の担当に引き継いでも、同様に問題解決できるようにすることです。
標準化しないと〇〇さんだから解決できたこととなってしまい組織としてレベルアップしていきませんし、問題解決した本人はいつまでも担当から離れられません。
2つ目の「ゴールの「売上を10%向上」を達成しているが、手段の「新規顧客50件訪問」は未達」の場合は、結果オーライで済ますのではなく想定外にうまくいった成功要因を突き止め、今後の問題解決に生かせるようにします。
補足で具体例を紹介すると、このパターンでは、もともと、売上を向上させるには、新規顧客訪問数を増加させることが主な要因と考えていたが、 新規顧客訪問数を増やせなかったにもかかわらず売上が上がっています。
つまり、もともと想定していた成功要因とは、別のところに本当の成功要因があったということなので、 今後も安定して成果を出すために本当の成功要因を探るのが改善の取り組みになります。
3つ目の「ゴールの「売上を10%向上」は未達だが、手段の「新規顧客50件訪問」は達成している」の場合について。
この場合の改善は2パターンに分かれます。
1つ目のパターンとしては、当初の目標の売上10%向上は達成できなかったものの、8%程度向上できたという場合です。
この場合では、問題解決の取り組みそのものは間違っていないが実施が不十分であったことが考えられるので、今の取り組みの延長線上で取り組みを強化していきます。
2つ目のパターンとしては、売上がほとんど向上しなかった場合です。
この場合は手段が的外れになっている可能性があるので、 問題解決のはじめのステップからやり直す必要があります。
もちろんやり直すといっても今回やった内容を完全に忘れてやり直すのではなく、今回の内容も踏まえてやり直します。
最後、4つ目の「ゴールの「売上を10%向上」は未達で、手段の「新規顧客50件訪問」も未達」の場合について。
この場合は残念ながら問題解決は失敗です。
この失敗を今後の問題解決に活かすべく、具体的にどこでどうつまずいてしまったのかを明らかにするのがこのパターンでの改善の取り組みです。
例えば、 手段が実行できていないのであれば、実行できるようにするにはどのポイントを変えたらよかったのか考えるなどです。
重要なのは、 問題解決が失敗したからといって、 この経験から得られるものはないといって、闇に葬るのではなく、少しでも今後に活かせるポイントはないかと振り返ることが重要です。
以上が本書で紹介されていたPDPDがいけない理由と、Cの評価とAの改善 の具体的な方法の紹介です。
まことの補足・解説
とはいえ、これを聞いたからといって、実行できたら苦労はしないですよね?
冷静に考えればPDPDではだめで、ちゃんとPDCAのサイクルを回していかなければいけない事は明らかなのに、多くの企業ができていない。
ということは、何かしらPDPDになってしまう原因があり、PDCAをちゃんと実施するためにはどうしたらいいんだろうと思いました。
しかし、本書はそこまでは答えてくれていませんでした。
なので、私なりに考えた原因を紹介して、みなさんがPDPDをやめ、PDCAにするための参考にしていただければと思います。
私が考えた原因は2つです。
・優先順位が低くなってしまっている
・完璧主義に陥っている
それぞれ説明します。
「優先順位が低くなってしまっている」について
実際の現場を想像してみてください。
解決すべき問題が発生して、それに対しての改善策を考え、実行計画を立て実施した。
その結果、問題が解決できなかったとしたら、担当者は上司に「では、次どうするんだ?」と聞かれることが容易に想像できます。
すると、担当者は、とりあえず次の計画を出すのが最も優先度の高い仕事になってしまい、前回の問題解決の流れを振り返るのは二の次になってしまう。
こんな感じではないでしょうか?
前回のエピソードでも少しお話しましたが、問題解決を中途半端にやると悪循環に陥ってしまうので、 注意が必要です。
どういうことかというと、
原因を深く追求しないと効果的でない対策を打ってしまい、成果が出ない。
すると、その効果的でない対策実行のせいで、時間がなくなる。
さらに時間がないので、次も原因を特定しないままに対策を打つことになる。
それも、やはり、そんな対策では成果が出ず、また時間がなくなる。
こんな具合の悪循環です。
多くの人がこの悪循環に陥っているがゆえにPDPDが蔓延している、という可能性は十分に考えられます。
「完璧主義に陥っている」について
先ほど出した例の新規顧客50件訪問が達成できなかったという時、達成できなかった要因としては複数あると思います。
単純に実行計画が無理な計画だったとか、
他の既存顧客の突発対応が多くて新規顧客への対応に時間が取れなかったとか
です。
このように要因が複数ありすぎて、1つ1つに対処する時間はない。
それぞれの要因に完璧に対処できないから、もう諦めてしまう。
こんな完璧主義に陥って、次へと繋げられないという人もいるのではないでしょうか?
以上が、私が考えた多くの企業でPDPDになってしまっている原因です。
これらを参考にしながら、みなさんもPDPDから抜け出したり、PDPDとならないように意識していただければと思います。
アクションプラン
この番組では、毎回学んだことをどのように活かしていくか、ということで皆さんにアクションプランを提案しています。
今回皆さんに提案するアクションプランは、『完璧でなくても、PDCAのAを実施する』です。
できるところから始めましょうと言うのが今回のアクションプランです。
いままでやってこなかったことをやろうとすると気が進まない、
ましてや、そのやることが膨大だと、気が進まないどころではなく、拒否反応を示す。
大抵の人はこんなものです。
まずは、できるところから初めて、それを徐々に拡大させていくのが得策です。
ちゃんとPDCA サイクルを回せるようになれば、成果もおのずと出てくるので、最初は嫌々やっていても徐々に浸透していくのではないでしょうか?
まとめ
それでは、今回のエピソードのまとめにはいります。
今回のエピソードでは高田貴久さんと岩澤智之さんによる「問題解決ーあらゆる課題を突破するビジネスマン必須の仕事術」という本から、「多くの企業がやってしまっている問題解決の間違ったやりかた」という話をしました。
その間違ったやり方とは、PDCAサイクルのうちのPDのみを、PDPDと繰り返してしまうことでした。
PDPDが良くない理由は、 振り返ることなく毎回新しい計画を立てては実行し続け、計画が改善されることがなく、ときには、改悪されることもある。
PDPDでも続けていれば成果につながることもありますが、なかなか問題が解決されずに、みなさん自身も組織全体も疲弊してしまう。
こんな理由でした。
そして、問題解決におけるPDCAのCとAは具体的に何をするかについても紹介しました。
Cは計画時に設定した数値目標に対して、達成しているか/達成していないかを確認することです。
AはCの結果に基づいて次の改善を考えます
Cの結果が、
・ゴールも達成していて、手段の実行プランも達成している場合は、担当が変わっても同様に問題解決ができるように標準化する。
・ゴールは達成しているが、手段の実行プランは達成できていなかった場合は、想定外の成功要因を突き止め、今後の問題解決に生かせるようにする。
・ゴールは達成していないが、手段の実行プランは達成していた場合は、すこし複雑で、
ゴールは達成していないものの一定の効果があった場合は、今の取り組みを強化する。
ゴールに対して、ほとんど効果が見られなかった場合は、問題解決の初めからやり直すでした。
そして
・ゴールも未達で、手段の実行プランも未達の場合は、今後の問題解決に活かすべく、具体的にどこでどうつまずいてしまったのかを明らかにする、でした。
多くの企業でCとAができていない理由は、本書では明かにされていなかったので私なりの考えも紹介しました。
それが、
・CとAの優先順位が低くなってしまっている
・完璧主義に陥っている
でした。
皆さんには『完璧でなくてもPDCAのAを実行する』というアクションプランを提案しました。
今回も最後まで聞いていただきありがとうございます。
このエピソードがみなさんの学びとなれば幸いです。
また次のエピソードでお会いしましょう。