まことのビジネスに役立つ話

日々の読書で学んだビジネスパーソンに役立つスキルを解説しています。

マッキンゼー流"目標達成の手法"【世界一やさしい問題解決の授業】

世界一やさしい問題解決の授業―自分で考え、行動する力が身につく

この記事は、ポッドキャストの文字起こしのテキストです。

 

 

こんにちは、サラリーマンポッドキャスターのまことです。
この番組では、読書好きな私が、日々の読書で学んだことを1回の放送につき、1つ紹介してきます。

 

今回のエピソードの内容

今回紹介するのは、渡辺健介さんの世界一やさしい問題解決の授業という本です。
この本に関しての紹介は前回のエピソードに引き続き2回目となります。
前回のエピソードをお聞きでない方のために、この本についてざっくり紹介していきます。

 

著者の渡辺健介さんはアメリカのイエール大学を卒業し、マッキンゼー・アンド・カンパニー東京オフィスに入社。
その後、ハーバード・ビジネススクールにも入学し、卒業。
卒業後は、マッキンゼー・アンド・カンパニーニューヨークオフィスに入社。
その後、デルタスタジオという子供向けの教育や企業向けのコンサルティングをおこなう会社を設立し、代表取締役を務める、いわば超優秀な方が書いた本です。

 

そんな方が書いた本だと、すごいお堅い本なのかな、と思われるかもしれません。
しかし、全くそんなことはなく、本のタイトルの”世界一やさしい”とあるように、とてもわかりやすく解説されており、加えて、ポップなイラストなども使っていて、かなりとっつきやすい本です。

 

内容は、タイトルにもあるように問題解決についての内容で、ストーリーにそって、どんな流れで問題解決を進めていけばよいのかということがわかる一冊となっています。

そんな本書のなかから、今回は、「目標達成の流れ」について紹介していきます。

 

今回のエピソードを聞くメリット

あなたはこんな経験ないでしょうか?

 

会社で、日々の通常業務とは別に業務改善をしてくれと言われる。
けれども、どうやったら良いのかよくわからない・・・

日々の仕事が忙しいのもあるけど、そもそも、どうやって業務改善をしたら良いかよくわからないから手をつけることもできていない。

というような経験ないでしょうか?

 

今回のエピソードでは、こんな悩みを解決できるかもしれない著者がマッキンゼーで学んだ目標を立てて、それを達成する手法を紹介します。

 

前回のエピソードでは、問題解決の手法を紹介しましたが、これはマイナスの状態をゼロに持っていく手法になります。
一方、今回紹介するのは、目標達成の方法ということで、ゼロの状態をプラスに持っていく手法の紹介になります。

 

この目標達成の手法は、仕事だけではなく、日常生活においても、より良い状態を目指すために使える手法なので、ぜひ今回のエピソードを聞いて学んでいっていただければと思います。

 

今回のエピソードでは、この後、本題の目標達成の流れを紹介してから、私、まことなりの補足をしていくという構成になっています。

 

本題ー目標達成の方法ー

では、さっそく、本題に入っていきます。

 

目標達成の方法は大きく分けると次の5つの工程に分けられます。

・目標を設定し、

・目標と現状のギャップを明確にする

・目標を達成する手段の仮説を立て、

・仮説が正しいかチェックする

・仮説を実行する。

 

5つも工程があると聞くと、「かなり多いなぁ」と感じられるかもしれませんが、1つ1つの工程はそこまで重たいものではないので、安心してください。

 

ここからは、5つの工程を、本書でも紹介されていた"CGアニメの映画監督になることを夢見るタロー君がパソコンを買うという目標を達成するまでのストーリー”とともに解説していきます。

 

まずは、「目標を設定する」と言う項目について説明していきます

ここでの注意点としてはなるべく具体的に決めると言うことです。

 

パソコンを買いたいと言うタロー君のストーリーで言えば、
「パソコンが欲しい」
と大雑把にするのではなく、
「半年以内に15万円の中古のmacbookを人にお金を借りずに購入する」
と具体的に決めてください。

 

このように目標を具体的にする理由は、目標の具体化により、現状とのギャップを具体化することができるようになり、それによって、どのように達成するかを考えられるようになるからです。

例えば、1ヶ月以内にパソコンが欲しいという場合と、1年後にパソコンが欲しいという場合では、それを達成する手段が変わってくることは、想像できると思います。

 

目標を具体的に設定したら、次の工程に移っていきます。
次の工程では、目標と現状のギャップを明確にしていきます

 

こちらもタロー君のストーリーに沿って説明すると、
「現状の貯金額がいくらで毎月の収入がいくらかを確認し、このままいけば半年後どれくらいお金が貯まっているか」を確認します。
具体的に言うと、今の貯金が5万円で、毎月の貯金額が1万円だとすると、半年後には、11万円貯まっていることがわかります。目標は、15万円のmacbookの購入だったので、今のペースだと4万円足りない、このようにギャップを明確化します。

 

ここまでで目標を設定し、目標と現状のギャップの明確化までが終りました

次の工程は「目標を達成する手段の仮説を立てる」です。
この工程は、次の2つのステップに分けられます。

・選択肢を幅広く洗い出す

・選択肢を絞り込んで仮説を立てる

 

それぞれ解説していきます

 

まず「選択肢を幅広く洗い出す」について。
目標を達成するための手段を挙げていきましょう。
次のステップで選択肢の取捨選択をするので、ここでは一旦、あまり制限をつけずに思いつくものをたくさん上げていきましょう。

 

ここでの注意点としては、できるだけ具体的にあげることです

ストーリーに沿って説明すると、
お金を貯める方法として
「出費をおさえる」
だけではなく
「娯楽費にかかる出費をおさえる」
と具体的にしてください。

 

もう一つの注意点としては、"もれなくダブりなく”ということです。

なので、思いつくままに選択肢をあげると言うよりは、次のような方法がよいと思います。
「お金を貯める」方法としては「収入を増やす」と「出費をおさえる」があります。

「出費をおさえる」には「娯楽費をおさえる」「飲食費をおさえる」「教育費をおさえる」といった形で考えていくといった方法です。
すると、もれなくダブりなく選択肢を上げていきやすいと思います

 

できる限り多く選択肢を上げたら、次のステップへ移ります。
次のステップは「選択肢を絞り込んで仮説を立てる」です

 

「実行できなさそうなもの」や「あまり効果が期待できないもの」などを削除していきます。
その他、「自分の価値観に合わないもの」なども消していって良いです。

 

ストーリーの例でいくと、
勉強にかかるお金は減らしたくない、であったり、
最初の目標として、"人にお金を借りずに"パソコンを購入する、としていたので、人にお金をもらうと言うような方法はここで削除していくといった形です。

 

ここまでで目標達成の5つの工程のうち3つを終わらせることができました。
次は「仮説が正しいかチェックする」という工程です。
これが終われば、ほとんど終わったようなものなので、頑張っていきましょう。

 

「仮説が正しいかチェックする」というのを、タロー君の例で説明していきます。
タロー君は出費を減らすために、「飲食費をおさえる」と、収入を増やすために「やらなくなったゲームや漫画・CDなどを売る」ということを考えたとします。

「仮説が正しいかチェックする」とは何をするかというと、
例えば、飲食費を抑えたとしてどれくらい出費を抑えることができるのかを計算したりします。
もともと、ほとんど飲食費を使っていないのに、飲食費を頑張っておさえたとしても、大して目標に近づかないですよね。
こういった形でそれをすると本当に目標に近づくのかを確認していきます。

 

加えて、その選択肢・手段が本当に実施できるか実施の難易度もここで見ていきます

例えば、「出費をおさえる」についても、つい惰性で買ってしまっているものを止めると言うのであれば比較的簡単に止めることができると思います。
しかし、反対に人によってはこれだけは絶対に外せないというものもあると思います。そうであれば、その出費を抑える事は難しいと思います。
このように、実施の難易度の観点から見て難しいものもここで削除していきます。

 

ここまでで何をすれば目標達成することができるのかという手段まで考えることができました。
最後の工程は、考えた手段を実行していくのみです。
考えることはなく、実行していくのみといっても、ここができなければ、ただの絵に描いた餅になので、気を緩めずに実行していきましょう。

計画時から状況が変わって、当初立てた計画では、目標が達成できないことがわかったら、3つ目の工程の手段を洗い出すところからやり直してみましょう。

以上が、本書で紹介されていた目標達成の一連の流れです。

まことなりの補足

ここからは私まことなりの補足・解説をしていきたいと思います。

 

目標達成の流れとしては特に難しい点はなかったかと思います。
ただ、これをビジネスの場で活用するときの注意点として、目標設定について補足をしたいと思います。

 

先ほど紹介した流れでは、目標設定は具体的にやるという注意点だけ説明して、さらっと終わらせてしまいましたが、実は、ビジネスの場において目標設定をやろうとすると意外と難しいので、ポイントを紹介していきます。

 

目標と言うのは"より良い"あるべき姿と言い換えた方が理解しやすいかもしれません。
つまり、目標設定とは、より良いあるべき姿の設定で、この設定が難しい理由は他の人と共通認識を持ちにくいと言うことが挙げられます。
当たり前ですが、ビジネスの場では独りよがりに動く事はできないので、上司や同僚と認識を共有する必要がありますよね。

 

この認識を共有することの難しさは、マイナスの状態をゼロにする問題解決と対比するとわかりやすいです。

例えば、会議室内で飲み物がこぼれていたり、椅子が壊れていたりすれば、ほぼ全ての人は、飲み物がこぼれていない、椅子が壊れていない状態にすべきだと勝手に共通認識を持つことができると思います。

 

一方、ゼロの状態をプラスに持っていこうとする、つまり、よりよいあるべき姿を目指す場合は自然と共通認識をもつことはほとんどないです。

会議室の例で言うと、目立って悪い場所はない会議室をよりよい会議室にしようとすると、
・ある人は情報共有の活性化のためにホワイトボードを導入するべきだといったり、
・ある人はもっと多くの椅子があった方が良いと言ったり、
・ある人は資料を投影できるようにプロジェクターを導入するべきと言ったり、
各々が考えるあるべき姿が異なる場合がほとんどです。

つまり、プライベートであれば、私はこうしたいという目標を立ててから、それをどうやって達成するかを重点的に考えればよかったですが、
ビジネスにおいては、最初の私はこうしたいという目標を周りの人と共有できるようにするところに、最初の関門があるイメージです。

具体例を出すと、自分はホワイトボードを導入したいと思っていて、それをどうやって達成するかを頑張って考えて、上司に提案したとしても、上司がプロジェクターを導入すべきだと考えていたら、「計画をいろいろ立ててもらったけど、そもそもなんでホワイトボードを導入するの?」と一蹴されてしまう可能性があるということです。

 

では、どうすれば良いのかと言うと、自分よがりではない合理的に説明できるよりよいあるべき姿を設定します。


そのためには、次の3つの視点であるべき姿を考えると良いと思います。
・何をやりたいか
・何ができるか
・何が必要とされているか

 

どういうことかというと、・・・

まずは何をやりたいかと言う視点で将来に向けて思いとしてどうありたいかを考えます。

いったんここでは、自分目線で、将来に向けてどうありたいかを考えます。

 

次に、現状のリソースを考えたときに、何ができるか・何が実行可能かという視点でも考えてみます。

ここで非現実的なものは排除されます。

 

ここまででは、自分の意思とできることだけで考えてきました。
これだけだと自分勝手なあるべき姿になってしまうので、周りの環境などから、何が必要とされているのかと言う視点でも考えてみます。

 

この3つの視点であるべき姿を考えることで、合理的に説明できるあるべき姿を作り出すことができ、他の社員とも共有できるということです。

 

ここまでで、本書で紹介されていた目標達成のやり方と私、まことなりの補足を紹介していきました。

 

アクションプラン

この番組では、毎回学んだことを活かしていくためのアクションプランを提案しています。

今回のアクションプランは、「紹介した目標達成の流れを実際に実行してみる」です。

ひねりがなくて申し訳ありません。

 

実行するにあたってのアドバイスを少しだけ紹介します。

この目標達成を実際に実行するにあたってはプライベートな目標について実行していただくのが良いと思います。
その理由は、さきほど言ったようにビジネスの場では思わぬ壁が出てくる可能性があって、本当は目標達成のプロセスを実行していきたいだけなのに、根回しや資料作成など、変なところで時間を取られる可能性がかなりあるからです。

 

最終的には、そのような様々な障害を乗り越えて、目標達成をできるようになることがベストですが、まず最初のステップとしては変な横槍が入らないようなプライベートでの目標達成のプロセスを実行していただくのが良いと思います。

 

 

まとめ

今回のエピソードでは、渡辺健介さんの「世界一やさしい問題解決の授業」という本を紹介しました。

 

「世界一やさしい問題解決の授業」という本は、タイトルの通り、問題解決ってどうやってやるの?ということを教えてくれる一冊で、今回はそんな中から、目標達成の大まかな流れについて紹介しました。

 

簡単に復習すると目標達成の流れは、次の5つの工程でした。

・目標を設定し、
・目標と現状のギャップを明確にする。
・目標を達成する手段の仮説を立て、
・仮説が正しいかチェックし、
・仮説を実行する。

 

そして、今回学んだことからみなさんには、「紹介した目標達成の手法を実際に実行してみる」という提案をしました。

目標達成のスキルを身につけることができれば、仕事だけではなく、日常のあらゆる場面で活かすことができるので、ぜひ実行していただければと思います。

 

紹介した「世界一やさしい問題解決の授業」、本書の中には、分解の木、仮説の木、ギャップ分析、意思決定ツールという各ステップをより効果的に進めることができるツールも紹介されているので、興味のある方はぜひ、本書を手にとってさらに学びを進めていただければと思います。

 

今回も最後まで聞いていただきありがとうございます。

また次のエピソードでお会いしましょう。